関飯店 / 中野
関飯店

また食べたい、ではなく、もう食べたい。
関飯店のことを書くのは少し危険である。
書いているだけで、よだれ鶏と黒い酢豚の味を思い出してしまうからだ。
中華とワイン。
言葉にすれば、それだけである。
しかし関飯店で体験するそれは、「中華にワインを合わせる店」という説明だけでは、どうにも足りない。
とにかく、料理が美味い。
一皿食べるたびに、「これは何で味をつけているのだろう」と聞きたくなる。
辛い、酸っぱい、甘い、香ばしい。
それぞれの味がはっきりと存在しているのに、どれか一つだけが前に出るわけではない。
気づけば次の一口に箸が伸びている。
「美味しい」というより、病みつきになる料理である。
必ず食べたい、よだれ鶏と黒い酢豚
中でも、我々が必ず食べたいのがよだれ鶏と黒い酢豚である。
よだれ鶏は、その名前に負けていない。
香りと辛味、旨味が重なったタレをまとった鶏を口に運ぶと、またすぐ次が欲しくなる。

そして黒い酢豚。
艶のある黒い酢に包まれた肉を見ただけで、何を食べに来たのかを思い出す。

この記事を書いている今も、想像するだけで涎が出る。
それくらい、記憶に残っている。
ワインを、人で説明する
そして関飯店には、料理と同じくらい楽しみにしているものがある。
ワインである。
サービスを担当する奥様のワインの説明が、とにかく面白い。
ワインを擬人化して説明してくれるのだ。

難しい品種や産地の話だけではない。
「このワインは、こんな人」。
そんなふうに人間に置き換えて話してくれるから、その一本が急に身近になる。
ワインに詳しくなくても分かる。
詳しくなれば、もっと面白い。
そして何より嬉しいのが、二度目以降である。
前回何を飲み、どんなものを好んだのかを覚えていて、その好みの範囲から次の一本を提案してくれる。
ただ料理に合うワインを選ぶのではない。
料理と、飲む人の両方を見て選んでいる。
なんというホスピタリティーだろう。
次の予約を取らなければならない
関飯店を出たあとに考えるのは、「美味しかった」だけではない。
次はいつ来られるだろう、である。
また食べたい料理がある。
また飲みたいワインがある。
そして、次は何を薦めてもらえるのかという楽しみがある。
店を好きになる理由は、料理だけではない。
人だけでもない。
料理、ワイン、サービス。
その全部が重なって、「またここに来たい」という記憶になる。
だから、この記事の締めに書くことは一つしかない。
早く次回の予約を取らなければならない。
広く浅くではなく、狭く深く。
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